今年はすでにインフルエンザが流行期に入っており、当院でもインフルエンザの患者さんが多数来院されています。しかしながら、近年、私たちのクリニックでインフルエンザの予防接種を受ける方が少なくなってきています。おそらく、コロナワクチンをめぐる様々な意見や、ネット上に飛び交う情報の影響で、ワクチン全般に対して心配になっている方が増えているのかもしれませんね。
でも、ちょっと歴史を振り返ってみると、ワクチンがどれだけ私たちの生活を変えてきたかがわかります。天然痘やポリオ(小児麻痺)という病気をご存じでしょうか。昔は本当に恐ろしい病気でしたが、今ではワクチンのおかげで天然痘は根絶され、ポリオ(小児麻痺)もほとんど見かけなくなりました。インフルエンザワクチンも同じように、長い間使われてきて、その効果と安全性がしっかり確認されています。特に、重い症状になるのを防いでくれる点では、とても頼りになる存在なんです。
副反応が心配という声もよく聞きます。それも当然の心配だと思います。ただ、アレルギーがある方を除けば、実際にインフルエンザにかかってしまうリスクと比べると、副反応のリスクはずっと小さいといえます。
予防接種を受けることは、自分の健康を守るだけじゃなく、家族や友人、職場の仲間など、身近な大切な人たちを守ることにもつながります。もし不安なことや疑問があれば、遠慮なく医師に相談してみてください。
日本では人口が減り続けていて、将来の経済が心配されています。こんな時代だからこそ、元気で長生きすること、つまり健康寿命を延ばすことがとても大切になってきます。健康な人が増えれば、働いたり活動したりできる人も増えて、経済が活性化し、医療費も抑えられます。
私たち地域の医師にとって、確かな効果があるワクチンをおすすめして、皆さんの病気を予防し、健康寿命を延ばすお手伝いをすることは、とても大切な役割だと思っています。一緒に健康な毎日を過ごしていきましょう。

にしおか内科クリニック
院長 西岡 清訓
(にしおか きよのり)
- (元)日本呼吸器外科学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会指導医・専門医
- 日本外科学会専門医
- 麻酔科標榜医・がん治療認定医









