コラム

「寒暖差アレルギー」で鼻水や咳が出る?原因と受診の目安を呼吸器内科医が解説

2026.10.02

2026年

「朝晩が冷え込むようになってから、鼻水やくしゃみが増えた」
「暖かい室内から寒い屋外に出ると、急に咳が出る」
「季節の変わり目になると、毎年のように鼻や喉の調子が悪くなる」

このような症状に心当たりはありませんか?

秋から冬、冬から春など、気温が大きく変化する時期になると、「寒暖差アレルギー」という言葉を耳にすることがあります。

ただし、一般に「寒暖差アレルギー」と呼ばれている症状は、必ずしも医学的な意味での「アレルギー」とは限りません。

今回は、呼吸器内科の立場から、寒暖差によって起こる鼻水や咳の原因、アレルギーとの違い、受診や検査を検討する目安について解説します。

寒暖差アレルギーとは?

「寒暖差アレルギー」は、医学的な正式病名ではありません。

急激な温度変化によって、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が現れる状態を、一般的にこのように呼んでいます。

温度差による刺激で鼻の血管などが反応し、鼻粘膜が過敏になることで症状が起こる場合があります。このような状態は、医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれることがあります。

日本アレルギー学会の資料でも、血管運動性鼻炎はアレルギー性鼻炎とは異なる「非アレルギー性」の鼻炎として扱われています。血清特異的IgE抗体などのアレルギー検査が陰性となることも特徴の一つです。

つまり、「寒暖差で鼻水が出る=アレルギー」とは限らないのです。

寒暖差で「咳」が出る場合は注意が必要です

寒暖差による症状として、鼻水やくしゃみだけでなく「咳」が気になる方もいます。

冷たい空気を吸い込んだときや、室内外の温度差が大きい場所に移動したときに咳が出る場合、気道が温度変化などの刺激に敏感になっている可能性があります。

特に、

  • 夜になると咳が出る
  • 朝方に咳が続く
  • 冷たい空気を吸うと咳が出る
  • 運動すると咳が出る
  • 風邪が治ったのに咳だけが長く続いている
  • 季節の変わり目に毎年咳が出る

といった症状がある場合には、単なる「寒暖差」のせいだと思い込まないことが大切です。

こうした症状の背景には、気管支喘息や咳喘息などの呼吸器疾患が隠れていることがあります。

喘息では気道が過敏になっているため、冷気や温度変化、運動などをきっかけとして咳や喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューする呼吸)が起こることがあります。

「毎年この時期になると咳が出るから、体質だろう」と考えている方も、一度呼吸器内科で相談することをおすすめします。

「寒暖差アレルギー」と「花粉症」はどう違う?

寒暖差による鼻水と花粉症は、症状だけでは区別が難しいことがあります。

どちらも、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを起こすためです。

一方、花粉症などのアレルギー性鼻炎では、スギやヒノキ、ダニなど特定のアレルゲンに対する反応が関係しています。

そのため、

「寒暖差が原因だと思っていたけれど、実は花粉症だった」

という可能性もあります。

また、複数のアレルゲンに反応する方では、季節や生活環境によって症状が変化することもあります。

症状だけで原因を判断するのではなく、必要に応じてアレルギー検査を受けることで、自分がどのようなアレルゲンに反応する可能性があるのかを確認できます。

アレルギー疾患では、血液検査による特異的IgE抗体検査などが検査方法の一つとして用いられます。

寒暖差による症状を悪化させないために

寒暖差による鼻や呼吸器の症状が気になる場合は、まず急激な温度変化をできるだけ小さくすることを意識しましょう。

たとえば、外出するときは上着やマフラーなどを活用し、冷たい空気をいきなり吸い込まないようにすることも一つの方法です。

室内についても、暖房の効いた部屋から急に寒い屋外へ出るなど、極端な温度差をできるだけ避けるようにしましょう。

ただし、生活上の工夫だけで症状が改善しない場合は、原因を確認することが重要です。

マフラー

「寒暖差のせい」と決めつけず、一度ご相談ください

寒暖差による鼻水やくしゃみは、必ずしもアレルギーが原因とは限りません。

一方で、花粉症などのアレルギー性鼻炎が隠れていることもあれば、咳が続いている場合には喘息や咳喘息などの呼吸器疾患が関係している可能性もあります。

そのため、

「毎年、季節の変わり目になると咳が出る」
「寒い場所に行くと咳が止まらなくなる」
「鼻水やくしゃみが長く続いている」
「市販薬を飲んでも症状が改善しない」
「自分が何のアレルギーなのか知りたい」

という方は、一度医療機関を受診してみてください。

尼崎市の呼吸器内科にしおか内科クリニックでは、症状や発症するタイミング、生活環境などを詳しく確認したうえで、必要に応じて胸部X線検査や呼吸機能検査、CT検査などを検討します。

また、アレルギーが疑われる場合には、血液検査によって特定のアレルゲンに対する反応を調べることもあります。

「寒暖差アレルギーだから仕方ない」と我慢するのではなく、なぜその症状が起こっているのかを確認することが、適切な対策への第一歩です。

季節の変わり目に鼻水や咳が続く方は、ぜひ一度、当院へご相談ください。

西岡 清訓(にしおか きよのり)

にしおか内科クリニック

院長 西岡 清訓

(にしおか きよのり)