コラム

尼崎市の肛門科ーおしりの症状でお悩みの方へ

2025.11.04

2025年

「おしりが痛む」「排便のたびに出血がある」「座っているだけで不快感がある」

このような症状を我慢していませんか?

肛門周辺の悩みは非常にデリケートな部位であるため、なかなか人に打ち明けられず、ついつい放置してしまう方が多くいらっしゃいます。しかし、”少しの違和感”の背後には、痔だけではなく、より深刻な疾患が潜んでいることもあります。

肛門疾患の中でも特に頻度が高いのが「痔」です。痔は日本人の3人に1人が経験すると言われており、決して珍しい病気ではありません。特に現代では、長時間のデスクワークや車の運転、ストレス、運動不足などが重なり、痔を発症しやすい環境が整っています。

また、妊娠・出産を経験された女性や、便秘・下痢を繰り返すお子様、ご高齢の方なども、痔になりやすい傾向があります。しかし、「そのうち良くなるだろう」「恥ずかしくて病院に行きたくない」といった理由で受診を先延ばしにし、症状が進行してから来院される方が少なくありません。

こんな症状がある尼崎市の方はご相談ください

  • 排便時に出血する(トイレットペーパーに血が付く、便器に血が混じる) 
  • おしりに違和感や異物感がある 
  • 長時間座っていると肛門部が痛む 
  • 肛門から膿が出る、痛みと発熱を伴う 
  • 肛門周辺がかゆい、ただれている 
  • おしりから何かが飛び出して戻らない(脱肛)

※症状が軽いうちに受診すれば、手術を回避できるケースも多く、治療の選択肢も豊富です。

痔核(いぼ痔)について

痔核は、肛門や直腸周囲の静脈がうっ血し、いぼ状に腫れた状態を指します。一般的に「いぼ痔」と呼ばれ、日本人に最も多く見られる痔の種類です。痔核は発生部位により以下の2種類に分類されます。

内痔核(ないじかく)

肛門の内側、歯状線より内側に発生します。神経が少ないため痛みを感じにくいですが、出血や脱出(肛門外に出る)が主な症状です。

外痔核(がいじかく)

肛門の外側、皮膚部分にできる痔核で、神経が多いため強い痛みや腫れを伴います。血栓ができると「血栓性外痔核」となり、突然の強い痛みが現れることもあります。

内痔核は進行度により4段階(Ⅰ度〜Ⅳ度)に分類されます。軽度であれば軟膏や坐薬で改善が期待できますが、進行するとジオン注射療法や外科的手術が必要になります。

裂肛(切れ痔)について

裂肛は、排便時に肛門の皮膚が裂けてしまう状態で、「切れ痔」とも呼ばれます。硬い便や下痢など、肛門への刺激が原因で起こることが多く、特に女性や便秘傾向の方に多く見られます。

痔瘻(じろう)について

痔瘻は、肛門腺に細菌感染が起こり、化膿して膿がたまり、トンネル状に膿が排出される経路(瘻管)が形成された状態です。「あな痔」とも呼ばれます。しばしば肛門周囲膿瘍を形成し、強い痛み・発熱・排膿などを伴います。

痔になりやすい生活習慣

食物繊維の不足、便秘・下痢の繰り返し、長時間の座位、過度ないきみなどが原因となりやすいです。喫煙、過度なアルコール摂取、肥満も影響します。まずは日常の排便習慣と生活習慣を見直すことが予防の第一歩です。

痔を予防する生活習慣

排便習慣の見直し

・便意を感じたら我慢せず、すぐにトイレへ ・トイレは5分以内を目安に。長時間のいきみやスマホ使用はNG ・毎日の排便にこだわらず、自然なリズムを大切に

食生活の改善

・食物繊維を意識的に摂取

  • 不溶性:ごぼう、豆類、野菜類
  • 水溶性:海藻、こんにゃく、果物 ・脂肪・アルコール・辛い食べ物の過剰摂取を控える ・水分は1日1.5〜2Lを目安にこまめに摂取

体の冷え対策・血行促進

・お風呂に浸かって身体を温め、血流改善 ・冷え性の方は下半身を冷やさない服装を ・長時間の座位や立位を避け、適度に体を動かす

清潔の保ち方

・ウォシュレットは使いすぎ注意:弱モードで5秒以内、拭きすぎも禁物 ・肛門周囲を清潔に保ちつつ、皮膚を傷つけないケアを

ジオン注射療法とは?

ジオン注射療法(ALTA療法)は、内痔核に対して切らずに注射で治療する画期的な治療法です。従来、内痔核の治療には切除手術が必要とされていましたが、ジオン注射療法では、硫酸アルミニウムカリウム水和物とタンニン酸を有効成分とする注射剤を4段階に分けて痔核に注射します。これにより、痔核の血流を減らして硬化・退縮させ、出血や脱出の症状を改善することができます。

治療の流れ

STEP1:診察・適応判断

内痔核であることを確認し、ジオン注射療法が適しているかを丁寧に判断します。外痔核や痔瘻には適応できません。

STEP2:治療当日

肛門周囲に局所麻酔を行い、ジオンを4か所(四段階注射法)に分けて投与します。治療時間は10〜20分程度です。

STEP3:休憩・ご帰宅

止血確認後、院内で15分ほど安静に過ごしていただき、問題がなければそのまま帰宅可能です。

STEP4:術後の経過観察

原則として翌日に再診をお願いしております。その後、発熱や疼痛がなく症状が軽快すれば数週間後に再診して終診となります。

特長とメリット

・切らずに治療できる ・日帰りで受けられる ・痛みが少ない ・仕事・日常生活への影響が少ない

従来の手術に比べて負担が少なく、回復も早いため、仕事や家庭の事情で入院が難しい方にも非常におすすめです。

注意点と副作用

ジオン注射は強力な薬剤ですので、注射部位に違和感・張り感・軽度の出血が見られることがあります。ただし、ほとんどは自然に改善します。まれに発熱や炎症反応が出る場合もありますが、適切に対応可能です。

実際の診察から治療の流れまで

肛門科の診察や治療は、どんなことをされるのか分からず不安を感じる方も多いと思います。にしおか内科クリニックでは、常に患者様の安心・納得を第一に考えた診療体制を整えています。

STEP1:来院・受付・問診票記入

受付で保険証をご提出いただき、症状に関する簡単な問診票をご記入いただきます。おしりの症状に関する記載は、口頭で言いにくいことを文章で伝える方法として、多くの患者様に好評をいただいています。

STEP2:医師による問診

記入いただいた問診票をもとに、医師が丁寧に症状をお伺いします。以下のようなことを確認します:

・いつから症状があるか ・痛み・出血の有無 ・排便の状態(便秘・下痢・いきみ) ・妊娠・出産の経験(女性の場合) ・既往歴(過去の手術や持病)

STEP3:視診・触診・肛門鏡検査

・視診:外痔核・裂肛・腫れ・しこりなどの外観確認 ・触診(直腸診):指で直腸内を優しく触れて異常を確認 ・肛門鏡検査:小型の器具を用いて、肛門内を直接観察

STEP4:診断結果の説明と治療法の提案

診察結果をもとに、現状と今後の治療方針について分かりやすく丁寧に説明いたします。

・軟膏や坐薬、内服薬による保存的治療 ・注射によるジオン硬化療法(ALTA療法) ・従来の切除術の適応の場合は適切な病院をご紹介します

患者様の生活スタイルや希望を考慮して、最適な治療法を一緒に検討していきます。

STEP5:治療・日常生活の注意点の説明

治療後も、再発予防や生活の改善が重要です。排便のコントロール、座り方、肛門の清潔保持など、日常生活で気をつけるポイントも細かくお伝えします。

自己判断は危険です!

「おしりから出血した=痔」と思い込む方が多いですが、出血の原因には以下のような深刻な病気が隠れている可能性もあります。

  • 直腸がん
  • 大腸がん
  • クローン病
  • 潰瘍性大腸炎
  • 虚血性腸炎

肛門の違和感・出血は、軽視せず、早めに専門医に相談することが何よりも大切です。

尼崎市塚口のにしおか内科クリニックへのアクセス

クリニック情報

医院名: にしおか内科クリニック
住所: 〒661-0002 兵庫県尼崎市塚口町1丁目18-20
TEL: 06-6423-3300 
最寄り駅: 阪急「塚口」駅北口から徒歩3分

尼崎市内の塚口に位置し、地元の皆様に通いやすい立地です。

▶アクセス詳細はこちら

尼崎市塚口でおしりの悩みを感じたら、当院へご相談ください

にしおか内科クリニックでは、内科と連携した肛門科診療を行っており、単に痔だけを見るのではなく、排便習慣・食生活・ストレスなどの生活背景まで考慮した「総合的な診療」を大切にしています。

痔・肛門の不調に関する診察を丁寧に行い、患者様一人ひとりに寄り添った治療を提供しています。「こんな症状で受診していいの?」「誰にも言えない」と悩んでいる方にこそ、安心してご相談いただきたいと考えています。

軽い症状でも構いません。早期発見・早期治療が、将来の健康を守ります。

お問い合わせは、お電話からお気軽にご連絡ください。
 📞 06-6423-3300

西岡 清訓(にしおか きよのり)

にしおか内科クリニック

院長 西岡 清訓

(にしおか きよのり)