コラム

夏風邪とは?大人の症状・長引く原因・のどの痛み・治し方を呼吸器内科医が解説

2026.07.09

夏風邪とは?

夏風邪とは、主に夏に流行するウイルス感染症の総称です。

夏風邪の原因となるウイルス

代表的な原因ウイルスには、エンテロウイルス、コクサッキーウイルス、アデノウイルスなどがあります。これらのウイルスは高温多湿の環境でも活動しやすく、6~9月頃に感染が増える傾向があります。

子どもに多い病気というイメージがありますが、大人でも十分に感染します

また、冷房による体の冷えや睡眠不足、暑さによる疲労で免疫力が低下すると、夏風邪にかかりやすくなることがあります。

大人の夏風邪の症状

大人の夏風邪では、次のような症状がみられます。

  • のどの痛み
  • 鼻水・鼻づまり
  • 発熱
  • 倦怠感
  • 頭痛
  • 下痢や腹痛

冬の風邪との違い

特に夏風邪では、「のどの痛み」が強く出ることが少なくありません。

また、冬の風邪に比べて胃腸症状を伴うこともあり、「風邪だと思っていたら下痢が続いた」というケースもみられます。

症状には個人差があり、軽症で済む方もいれば、高熱や強い倦怠感が続く方もいます。

夏風邪でのどが痛い(熱はない)のはなぜ?

「のどが痛いのに熱はない」という症状も、夏風邪ではよくみられます。

ウイルスがのどの粘膜で炎症を起こしていても、全身の炎症がそれほど強くなければ発熱しないことがあります。

そのため、

  • 飲み込むと痛い
  • イガイガする
  • 声がかれる

といった症状だけが続くこともあります。

一方で、のどの強い痛みに加えて高熱や膿が付着している場合は、細菌感染など別の病気の可能性もあります。自己判断せず、症状が強い場合は医療機関を受診しましょう

夏風邪が長引くのはなぜ?

通常の風邪は1週間程度で改善することが多いですが、夏風邪は症状が長引くことがあります。

その理由として、十分な休養が取れていない・冷房で体が冷えている・水分不足・咳やのどの炎症が残っているなどが考えられます。

特に咳は、ウイルス感染が治まったあとも気道の炎症が残ることで2~3週間程度続くことがあります。また、「夏風邪だと思っていたら実は肺炎だった」「気管支喘息が悪化していた」というケースもあります。

夏風邪で受診した方がいいケース

  • 38℃以上の発熱が続く
  • 咳が3週間以上続く
  • 息苦しさがある
  • 胸の痛みがある
  • 水分が取れない

にしおか内科クリニックでは、必要に応じて胸部レントゲン検査やCTなどを行い、肺炎やその他の呼吸器疾患が隠れていないか確認します。

夏風邪はうつる?

夏風邪も人にうつります。感染経路は主に、飛沫感染と接触感染です。

咳やくしゃみで飛び散った飛沫を吸い込んだり、ウイルスが付着したドアノブや手すりなどを触った手で口や鼻に触れたりすることで感染します。

症状がある間は周囲へ感染させる可能性があるため、

  • 手洗い
  • こまめな手指消毒
  • 咳エチケット
  • 十分な換気

を心がけましょう。

特に高齢者や乳幼児、基礎疾患のある方と接する機会がある場合は注意が必要です。

夏風邪の治し方

夏風邪には、原因となるウイルスを直接退治する特効薬はほとんどありません。

そのため、症状を和らげながら体の回復力を高めることが治療の基本になります。

1. 十分な休養をとる

無理をして仕事や運動を続けると、回復が遅れることがあります。

睡眠時間をしっかり確保し、体を休めましょう。

2. 水分補給を行う

発熱や下痢がある場合は脱水になりやすいため、こまめに水分を補給しましょう。

スポーツドリンクや経口補水液が役立つこともあります。

3. のどを乾燥させない

水分補給や加湿を心がけ、必要に応じてのど飴などを利用すると症状が和らぐことがあります。

4. 症状に応じた薬を使用する

解熱鎮痛薬や咳止め、去痰薬などを症状に合わせて使用します。

細菌感染がない一般的な夏風邪では、抗菌薬(抗生物質)は効果がありません。自己判断で服用せず、医師の診察を受けることが大切です。

気になる症状が続く場合は呼吸器内科へご相談ください

夏風邪の多くは自然に改善しますが、症状が長引く場合や咳が続く場合には、肺炎や気管支喘息、新型コロナウイルス感染症など、別の病気が隠れていることもあります

特に「咳だけが続く」「のどの痛みが改善しない」「息苦しさがある」といった症状は、呼吸器の専門的な診察が必要になることがあります。

にしおか内科クリニックでは、風邪症状の診療はもちろん、長引く咳や呼吸器疾患の診断・治療にも対応しております。

夏風邪かなと思っても、「いつもと違う」「なかなか治らない」と感じた際は、お気軽にご相談ください。早めの受診が、重症化の予防や早期回復につながります。

夏風邪でよくある質問

Q. 夏風邪は何日くらいで治りますか?

多くは1週間程度で改善しますが、咳は2〜3週間続くことがあります。

Q. 夏風邪でのどが痛いけれど熱はありません。受診した方がいいですか?

軽症で改善することもありますが、痛みが強い場合や数日経っても改善しない場合は受診をおすすめします。

Q. 夏風邪に抗生物質は効きますか?

一般的な夏風邪はウイルス感染が原因のため、抗生物質は効果がありません。

Q. 夏風邪で咳だけ長引くことはありますか?

あります。感染後に気道の炎症が残ることで、咳だけが数週間続くことがあります。ただし、肺炎や咳喘息などが隠れていることもあるため、長引く場合は呼吸器内科への受診をおすすめします。

西岡 清訓(にしおか きよのり)

にしおか内科クリニック

院長 西岡 清訓

(にしおか きよのり)