コラム

肛門から何か出る・出ている原因とは?痔・直腸脱との違いや受診の目安を肛門科医が解説

2026.07.09

「排便をすると肛門から何か出てくる…」
「お尻にいぼのようなものがある」
「指で押し戻すと戻るけれど、これって大丈夫?」

このような症状があると、「痔かもしれない」と思いながらも、恥ずかしさから受診をためらってしまう方は少なくありません。

しかし、肛門から何か出ている症状は、痔だけではなく治療が必要な病気が隠れていることもあります

今回は、肛門から何か出る・出ていると感じる原因や考えられる病気、受診の目安について分かりやすく解説します。

肛門から何か出る原因とは?

「肛門から何か出る」といっても、実際にはさまざまな原因があります。

代表的なものは以下のとおりです。

・いぼ痔(内痔核・外痔核)

・直腸脱

・粘膜脱

・肛門ポリープ

・血栓性外痔核

・肛門周囲の皮膚(スキンタグ)

見た目が似ていても治療方法は異なるため、自己判断はおすすめできません。

肛門の違和感の最も多い原因は「いぼ痔(痔核)」

肛門から何か出る症状で最も多いのがいぼ痔(痔核)です。

内痔核

肛門の内側にできる痔で、初期は出血だけのこともありますが、進行すると排便時に肛門から飛び出すようになります。初めは自然に戻りますが、症状が進行すると指で押し戻さなければ戻らなくなり、さらに重症になると常に出たままになることもあります

このような症状がある方は要注意

  • 排便時だけ何か出る
  • 排便後に自然に戻る
  • 指で押すと戻る
  • 排便時に出血する

外痔核

肛門の外側にできる痔です。

肛門にしこりのようなものを触れることが多く、痛みを伴うことがあります。

肛門から腸が出る「直腸脱」

高齢の方や出産経験のある女性などでは、直腸そのものが肛門から出てしまう直腸脱が起こることがあります。

内痔核よりも大きく脱出し、

  • 常に出ている
  • 便が漏れる
  • 押しても戻りにくい

などの症状が特徴です。

手術が必要になることもあるため、早めの受診が大切です。

肛門から何か出ていても痔ではないこともあります

肛門から何か出ているからといって、必ずしも痔とは限りません。

例えば、

  • 肛門ポリープ
  • 肛門周囲の皮膚(スキンタグ)
  • まれに直腸腫瘍

などが見つかることもあります。

また、「痔だと思っていたら実は大腸の病気だった」というケースもあります。

特に出血を伴う場合には、大腸ポリープや大腸がん、炎症性腸疾患などが隠れている可能性もあるため注意が必要です。

肛門の違和感の受診の目安

次のような症状がある場合は、早めに肛門科の受診をおすすめします。

  • ・排便のたびに何かが出る
  • ・指で戻さないと戻らない
  • ・常に何か出ている
  • ・出血を繰り返す
  • ・強い痛みがある
  • ・肛門が腫れている
  • ・便が細くなった
  • ・血便が続いている

特に、40歳以上で初めて出血があった方や、便通の変化を伴う方は、大腸の病気との鑑別も重要です。

肛門科ではどのような診察を行うの?

「恥ずかしいから受診しづらい…」

そのように感じる方は多くいらっしゃいます。

にしおか内科クリニックでは、患者さんのプライバシーに十分配慮しながら診察を行います。

診察では、①問診②視診③指による診察(直腸診)④必要に応じて肛門鏡検査などを行い、症状の原因を確認します。

また、出血の原因が大腸にある可能性がある場合には、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)をご案内することもあります。

よくある質問

Q. 肛門から何か出ても自然に治りますか?

軽度のいぼ痔であれば生活習慣の改善によって症状が軽くなることもありますが、脱出を繰り返す場合は進行している可能性があります。放置すると悪化することがあるため、一度診察を受けることをおすすめします。

Q. 痔は市販薬で治せますか?

痛みや腫れを一時的に和らげることはできますが、脱出そのものを改善することは難しい場合があります。症状が続く場合は原因を確認することが重要です。

Q. 手術になりますか?

すべての方が手術になるわけではありません。生活習慣の改善や内服薬、外用薬などで改善するケースも多くあります。症状の程度に応じて最適な治療をご提案します。

まとめ|肛門から何か出る症状は自己判断せず、一度ご相談ください

肛門から何か出る症状の原因として最も多いのはいぼ痔ですが、直腸脱や肛門ポリープなど別の病気が原因となっていることもあります。

特に、脱出を繰り返す場合や出血・痛みを伴う場合は、適切な治療が必要になることがあります。

「恥ずかしいから」「痔だと思うから」と自己判断せず、気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。早めの受診が、症状の悪化を防ぎ、治療の選択肢を広げることにつながります。

西岡 清訓(にしおか きよのり)

にしおか内科クリニック

院長 西岡 清訓

(にしおか きよのり)