「咳が何週間も止まらない」「階段を上ると息切れがする」「痰に血が混じった」――こうした呼吸器の症状で病院を探すとき、「呼吸器専門医」という言葉を目にしたことはないでしょうか。
呼吸器専門医とは、肺や気管支など呼吸にかかわる臓器の病気を専門的に診断・治療できる医師のことです。しかし実は、この資格を持つ医師は全国でも非常に少なく、「呼吸器内科」と掲げているクリニックや病院にも必ずしも在籍しているわけではありません。
この記事では、呼吸器専門医とはどのような存在なのか、なぜ専門医の診察が大切なのかをわかりやすく解説します。尼崎市やその近隣で呼吸器の症状にお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
呼吸器内科とは ― 「呼吸」を守る専門科
呼吸器内科は、鼻から肺までの「空気の通り道」に起こる病気を専門的に診る診療科です。
私たちは1日に約2万回もの呼吸を繰り返しています。空気は鼻から入り、咽頭・喉頭、気管・気管支を経て肺に届き、そこで酸素と二酸化炭素が交換されます。この呼吸の仕組みに関わる臓器すべてが呼吸器内科の守備範囲です。
こんな症状があれば呼吸器内科へ
受診を検討していただきたい代表的な症状には、2週間以上続く咳、痰の異常(量が多い・色がいつもと違う)、息切れや息苦しさ、胸の痛み、ゼイゼイ・ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)、微熱が長引くといったものがあります。
「たかが咳」と思って放置してしまうと、実は喘息や肺がんなど重い病気が隠れていた――ということも決して珍しくありません。気になる症状が続く場合は、早めに呼吸器内科を受診することが大切です。
呼吸器内科で扱う代表的な病気
喘息(ぜんそく)は気道の慢性的な炎症によって発作的に咳や息苦しさが起こる病気です。適切な治療でコントロール可能ですが、放置すると生活の質が大きく低下します。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は主に長年の喫煙が原因で肺の機能が徐々に失われていく病気です。壊れた肺の組織は元に戻らないため、早期発見と治療開始がとても重要です。
肺炎は細菌やウイルスの感染によって肺に炎症が起きる疾患です。特に高齢の方や免疫力が低下している方では重症化しやすく、注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に繰り返し呼吸が止まることで、日中の強い眠気や集中力低下を引き起こします。高血圧や心疾患のリスクも高めるため、放置は禁物です。
このほかにも間質性肺炎、肺がん、気胸、サルコイドーシスなど、呼吸器内科が対応する疾患は非常に多岐にわたります。
呼吸器専門医とは ― どんな資格?なぜ大切?
呼吸器専門医の定義
呼吸器専門医とは、日本呼吸器学会が認定する専門資格を持つ医師のことです。
まず日本内科学会の認定内科医や総合内科専門医として内科全般の知識・技術を身につけたうえで、さらに呼吸器疾患に関する高度な専門知識と臨床経験を積み、学会の試験に合格した医師だけがこの資格を得られます。
つまり、内科全般の実力を土台に、呼吸器の病気について特に深い知識と経験を持つスペシャリスト――それが呼吸器専門医です。
資格取得までの長い道のり
呼吸器専門医になるには、非常に厳しい条件をクリアしなければなりません。医師免許取得後、内科全般の臨床研修を経て内科学会の認定を受けたのち、日本呼吸器学会に3年以上所属しながら、学会認定施設で3年以上の呼吸器専門研修を修了する必要があります。
さらに、呼吸器に関する学術論文の執筆や学会発表の実績も求められ、これらすべてを満たしたうえで筆記試験に合格して初めて認定されます。資格取得後も5年ごとの更新が義務づけられており、常に最新の知識をアップデートし続ける必要があります。
ユニークなのは、呼吸器専門医には「非喫煙者であること」が求められている点です。患者さんに禁煙を指導する立場として、自ら模範を示す姿勢が重視されています。
専門医がいると何が違うのか
呼吸器専門医が診療することで、患者さんには大きく3つのメリットがあります。
① 症状が似ていても、原因を正確に見分ける診断力
呼吸器の病気は「咳が出る」「息苦しい」など症状が重なりやすく、原因の特定が難しいものです。たとえば「長引く咳」の原因だけでも、喘息、咳喘息、逆流性食道炎、肺結核、肺がんなど多岐にわたります。呼吸器専門医はCT画像の読影や呼吸機能検査(スパイロメトリー)、呼気NO検査など専門的な検査を組み合わせて的確に病気を見極めます。
② 一人ひとりに合わせた最適な治療
正しい診断があってこそ、治療も的を射たものになります。たとえば喘息の治療では、患者さんの重症度やアレルギーの状態に応じて吸入薬の種類や量を細かく調整します。通常の治療で改善しない難治性喘息には生物学的製剤(抗体療法)を検討するなど、専門医ならではの判断が求められる場面も少なくありません。
③ 呼吸器だけでなく全身を見渡す視点
呼吸器の病気は他の臓器とも深く関わっています。睡眠時無呼吸症候群は高血圧や心疾患のリスクを高め、COPDは全身の炎症や栄養状態にも影響を及ぼします。呼吸器専門医はこうした関連を総合的に評価し、呼吸器だけでなく全身の健康を考慮した治療を行います。
実は希少 ― 呼吸器専門医は全国に約7,500名
呼吸器専門医の貴重さを示すデータがあります。日本専門医機構の2023年度データによると、日本呼吸器学会認定の呼吸器専門医は全国で約7,500名です。
消化器病専門医が約23,000名、循環器専門医が約17,000名いることを考えると、呼吸器専門医がいかに少ないかがわかります。風邪・肺炎・喘息・COPDなど呼吸器の病気は非常に多いにもかかわらず、それを専門的に診られる医師が圧倒的に不足しているのが現状です。
そのため多くの医療機関では、呼吸器を専門としない一般内科医が呼吸器疾患の診療を担っています。軽い風邪やインフルエンザであれば大きな問題はありませんが、喘息の細やかなコントロールや間質性肺炎・肺がんなど専門的な判断が必要な病気では、一般内科医だけでは対応が困難なケースも出てきます。
「呼吸器内科」の看板があっても専門医がいないことがある
ここは患者さんにぜひ知っておいていただきたいポイントです。
クリニックや病院の看板に「呼吸器内科」と書かれていても、呼吸器専門医が在籍しているとは限りません。
日本の医療制度では、医師免許があれば「呼吸器内科」を診療科目として掲げること自体は可能です。呼吸器の専門的なトレーニングを受けていなくても標榜(ひょうぼう)できるため、「呼吸器内科と書いてあるから安心」とは一概に言えないのが実情です。
「うちでは対応できません」と言われるケース
「咳が止まらないから呼吸器内科に行こう」と受診したところ、十分な検査ができず「大きな病院を紹介します」と言われてしまう。こうした経験をされた方は少なくありません。紹介先の病院で予約を取り直し、改めて受診するまでに時間がかかると、その間に症状が進行してしまうリスクもあります。
呼吸器専門医でなければ難しい病気
特に以下のような疾患は、呼吸器専門医の診断・治療が重要です。
難治性喘息 ― 通常の吸入薬ではコントロールが難しく、生物学的製剤の導入判断など専門知識が求められます。
間質性肺炎 ― 肺の組織自体が炎症で硬くなる病気で、正確な診断と免疫抑制療法など高度な治療が必要です。
肺がん ― 早期発見で予後が大きく変わります。CT画像の的確な読影と、手術・化学療法・放射線治療など幅広い選択肢からの判断が求められます。
重症肺炎・薬剤耐性菌肺炎 ― 通常の抗生物質が効かない場合、専門医による治療方針の決定が不可欠です。
サルコイドーシスなどの稀少疾患 ― 診断自体が難しく、長期的な管理が必要なため専門医の関与が欠かせません。
だからこそ、受診前に「その医療機関に呼吸器専門医がいるかどうか」を確認することがとても大切です。
呼吸器専門医の探し方
日本呼吸器学会の専門医検索
最も確実なのは、日本呼吸器学会公式サイトの「専門医検索」ツールです。都道府県や市区町村で絞り込んで、お住まいの地域の呼吸器専門医を見つけることができます。
ホームページで医師の資格を確認
気になる医療機関があれば、ホームページで医師の経歴や資格を確認しましょう。「日本呼吸器学会認定 呼吸器専門医」と明記されていれば安心です。CT検査や呼吸機能検査などの設備が揃っているかどうかも重要なチェックポイントです。
かかりつけ医からの紹介
現在通っている内科の先生に相談するのも有効です。紹介状があれば、これまでの検査結果や治療経過がスムーズに引き継がれ、無駄な検査の重複を避けることができます。
こんな症状があれば、早めに呼吸器専門医へ
早めの受診をおすすめする症状
2週間以上続く咳、血痰(痰に血が混じる)、安静時にも感じる息切れ、原因不明の胸の痛み、体重減少を伴う咳、夜間に悪化する咳、長引く発熱――こうした症状がある場合は、早めに呼吸器専門医にご相談ください。
特にご注意いただきたい方
喫煙歴がある方(過去に吸っていた方も含む)、ご家族に結核の既往がある方、仕事で粉じんやアスベストを吸った経験のある方、65歳以上の方は、症状がなくても定期的な検査をおすすめします。
「このくらいで病院に行くのは大げさかな」――そう思う必要はありません。咳や痰、息切れの裏に、肺がんや結核、間質性肺炎など早期発見が命を左右する病気が潜んでいることがあります。
尼崎市で呼吸器専門医をお探しなら ― にしおか内科クリニックへ
ここまでお読みいただいて、「呼吸器専門医に診てもらいたい」と思われた方へ。尼崎市やその近隣にお住まいなら、ぜひ当院にご相談ください。
にしおか内科クリニックには、日本呼吸器学会認定の呼吸器専門医が2名在籍。さらに院長も呼吸器外科の専門医資格を取得した経験を持ち、呼吸器疾患のプロフェッショナルが3名体制で診療にあたっています。
全国的に呼吸器専門医が不足するなか、地域のクリニックにこれだけの呼吸器の専門家が揃っていることは非常にまれです。
呼吸器専門医 ― 山口統彦(やまぐち のりひこ)医師
山口医師は大阪府済生会千里病院の呼吸器内科部長を務める呼吸器疾患のスペシャリストです。日本呼吸器学会認定 呼吸器専門医・指導医をはじめ、総合内科専門医、アレルギー専門医、リウマチ専門医、がん治療認定医など複数の専門資格を持ち、呼吸器の病気を多角的な視点から診断・治療します。
呼吸器専門医 ― 片山優子(かたやま ゆうこ)医師
片山医師は神戸大学医学部を卒業後、呼吸器内科を専門に研鑽を積んできた医師です。日本呼吸器学会認定 呼吸器専門医・指導医に加えて、気管支鏡専門医、緩和医療認定医、がん治療認定医の資格も有しています。呼吸器疾患の診断から、がんを含む病気と向き合う患者さんの心身両面のケアまで、幅広く対応できることが大きな強みです。
院長 ― 西岡清訓(にしおか きよのり)医師
大阪大学医学部第二外科から近畿中央病院、東京都立駒込病院と、25年以上にわたり外科医として呼吸器・消化器疾患の治療に携わってきました。近畿中央病院では呼吸器外科部長として、数多くの肺がん患者さんの手術・治療と向き合った経験を持ちます。
日本呼吸器外科学会専門医の資格を取得した経験を持ち、現在もがん治療認定医・日本外科学会指導医として、外科的な視点から呼吸器の病気を見極める力を診療に活かしています。テレビ番組「ミヤネ屋」に肺がん・緩和治療の専門家として出演した実績もあり、肺がんの早期発見や治療について豊富な知見を有しています。
にしおか内科クリニック ― 3つの強み
① 呼吸器のプロ3名によるチーム体制
呼吸器内科の専門医2名と、呼吸器外科の経験を持つ院長。内科的なアプローチと外科的な視点の両方から患者さんの病気を診ることができるのは、当院ならではの大きな特長です。複数の専門家が在籍することで、より多角的で精度の高い診療を実現しています。
② 院内で完結する専門的な検査体制
呼吸器疾患の正確な診断には、適切な検査が不可欠です。当院では胸部CT検査、スパイロメトリー(呼吸機能検査)、呼気NO検査など、呼吸器専門医が必要とする検査機器を院内に揃えています。「大きな病院でないと検査できない」ということがなく、検査から診断、治療までワンストップで受けられます。
③ 阪急「塚口」駅北口から徒歩3分
専門的な医療を身近な場所で受けられることも、通院を続けるうえで大切なポイントです。当院は阪急神戸線「塚口」駅北口から徒歩3分。尼崎市内はもちろん、伊丹市・西宮市・豊中市など近隣エリアからも通いやすい立地です。
咳でお悩みの方へ ― 咳外来のご案内
長引く咳にお困りの方は、当院の咳外来をご利用ください。呼吸器専門医が咳の原因を丁寧に精査し、喘息・咳喘息・逆流性食道炎・感染症後の遷延性咳嗽など、さまざまな原因に対応した治療を行います。
呼吸器の症状全般でお困りの方へ
咳以外にも、息切れ・痰・胸の痛み・喘鳴・いびき・睡眠中の無呼吸など、呼吸器に関する症状でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
まとめ
呼吸器専門医は、肺や気管支など呼吸に関わる病気の診断・治療に特化したプロフェッショナルです。全国に約7,500名しかおらず、「呼吸器内科」を掲げていても専門医がいない医療機関は珍しくありません。
咳・痰・息切れなど呼吸器の症状が気になるときは、呼吸器専門医がいる医療機関を選ぶことが、正確な診断と適切な治療への近道です。
にしおか内科クリニックは、呼吸器専門医3名体制で、尼崎市の皆さまの呼吸器の健康をお守りします。咳、息切れ、痰など気になる症状がございましたら、どうぞお気軽にご来院ください。

にしおか内科クリニック
院長 西岡 清訓
(にしおか きよのり)
- (元)日本呼吸器外科学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会指導医・専門医
- 日本外科学会専門医
- 麻酔科標榜医・がん治療認定医