コラム

【呼吸器内科医が解説】大きないびきや日中の強い眠気の原因は?|睡眠時無呼吸症候群

2026.01.06

2026年

大きないびきや日中の強い眠気の考えられる原因

「最近、いびきがひどいと家族に言われる」「夜は寝ているはずなのに、日中とても眠い」
このような症状に心当たりはありませんか。

その症状、睡眠時無呼吸症候群が原因かもしれません。

睡眠時無呼吸症候群は、単なる睡眠の問題ではなく、放置すると生活習慣病や心血管疾患にも関わる重要な病気です。

睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりする状態を繰り返す病気です。
一般的には「10秒以上の無呼吸や低呼吸が、1時間に5回以上起こる状態」と定義されています。

眠っている間のことなので、本人に自覚がないケースが非常に多いのが特徴です。


「いびきがうるさい」「寝ている途中で息が止まっていた」

と、家族に指摘されて初めて受診される方も少なくありません。

睡眠時無呼吸症候群について詳しくはこちら

睡眠時無呼吸症候群で大きないびきをかく原因

睡眠時無呼吸症候群の多くは、空気の通り道である「上気道」が狭くなることで起こります
睡眠中は喉や舌の筋肉が緩み、舌が喉の奥に落ち込みやすくなります。

その結果、空気が通るたびに振動が起こり、大きないびきとなります。

さらに気道が完全に塞がると、無呼吸状態になります。
肥満、首周りの脂肪、顎が小さい、扁桃腺が大きいなども、いびきや無呼吸の原因となります。

睡眠時無呼吸症候群で日中に強い眠気が出る理由

睡眠時無呼吸症候群では、呼吸が止まるたびに脳が目を覚まし、呼吸を再開させます。
この「覚醒」が一晩に何十回、何百回と起こるため、深い睡眠がほとんど取れません

その結果、

  • 日中の強い眠気
  • 集中力の低下
  • 仕事や家事のミス
  • 居眠り運転

などが起こりやすくなります。
単なる寝不足とは異なり、「十分寝たはずなのに眠い」というのが特徴です。

睡眠時無呼吸症候群を放置すると起こりうる合併症

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、体は慢性的な低酸素状態にさらされます。
これにより、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病が悪化しやすくなります

さらに、心筋梗塞、脳梗塞、不整脈といった命に関わる病気のリスクも高まることが分かっています。
「たかがいびき」と軽視せず、早めの対応が重要です。

睡眠時無呼吸症候群のセルフチェック

睡眠時無呼吸症候群は「エプワース眠気尺度」という日中の眠気の程度を判定するチェックシートを使って、セルフチェックを行うことができます。

以下のセルフチェックを実施してみて、合計点数が11点以上の場合は睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると言われています。
合計点数が10点以下でも、いびきなどの睡眠中の問題や肥満などが当てはまる場合には受診しましょう

エプワース眠気尺度(ESS)問診票

Epworth Sleepiness Scale

この問診票はあなたの日中の眠気を評価するものです。

最近の生活の中で、次のような状況になると、どのくらい眠ってしまいそうになるか、下の点数でお答えください。

質問のような状況になったことがなくても、その状況になればどうなるかを想像してお答えください。

1. 座って本を読んでいるとき
2. テレビを見ているとき
3. 人がたくさんいる場所(会議、映画館、劇場など)で座っているとき
4. 他の人が運転する車に1時間くらい休憩なしで乗っているとき
5. 午後、横になって休憩しているとき
6. 座って誰かと話しているとき
7. 昼食後、静かに座っているとき
8. 車を運転中、交通渋滞で数分間止まっているとき

あなたの合計点

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Johns MW: A new method for measuring daytime sleepiness; The Epworth sleepiness scale. Sleep 14: 540-545, 1991より引用改変

呼吸器内科で行う睡眠時無呼吸症候群の検査と治療

問診や診察に加え、自宅でできる簡易検査や精密検査を行います。
痛みを伴う検査はほとんどなく、入院が不要な場合も多くあります。

治療の中心はCPAP(シーパップ)療法です。
これは、睡眠中に空気を送り、気道を広げることで無呼吸を防ぐ治療法です。
治療を開始すると、

「日中の眠気がなくなった」「血圧が安定した」

と実感される方も多くいらっしゃいます

いびきや眠気は体からのサインです

大きないびきや日中の強い眠気は、体からの重要なサインです。
睡眠時無呼吸症候群は、早期に発見し、適切に治療することで、生活の質も将来の健康リスクも大きく改善できます

睡眠時無呼吸症候群は、主に呼吸器内科で診断・治療を行います。
いびきや日中の眠気、生活習慣病との関連を総合的に評価できる点で、まずは呼吸器内科の受診がおすすめです。

「もしかして?」と思ったら、ぜひ一度、呼吸器内科へご相談ください。
ご本人だけでなく、ご家族の健康を守ることにもつながります。

西岡 清訓(にしおか きよのり)

にしおか内科クリニック

院長 西岡 清訓

(にしおか きよのり)