コラム

【呼吸器専門医が解説】花粉症の咳が止まらない・ひどい原因と止める方法|咳だけの症状にも注意

2026.04.03

西岡 清訓(にしおか きよのり)

にしおか内科クリニック

院長 西岡 清訓

(にしおか きよのり)

最近、鼻水や鼻づまりなどの花粉症の症状とともに咳を訴える患者さんが増えています。なかには「花粉症で咳だけが出る」というケースもあり、花粉症だと気づかないまま咳が長引いている方も少なくありません。

花粉症で咳が出る原因

花粉症による咳の原因は、花粉に対するアレルギー反応です。花粉が気道の粘膜を刺激し、炎症を引き起こすことで咳が発生します。さらに、鼻水が喉へ流れ込む**後鼻漏(こうびろう)**がおこり、これが喉を刺激して乾いた咳が続くことがあります。花粉症の咳がひどい場合や咳が止まらない場合は、この後鼻漏が大きく関係していることが多いです。

また、鼻づまりによる口呼吸も咳の悪化につながります。口呼吸をすると喉が乾燥し、刺激を受けやすくなるため、加湿器を活用するなどして室内の湿度を保つことが大切です。

花粉症の咳と痰(たん)の特徴

花粉症による咳は、痰(たん)を伴わない乾いた咳が特徴です。風邪の咳との違いとして、発熱がなく、特定の季節に繰り返すという点が挙げられます。ただし、後鼻漏によって喉に鼻水が絡み、痰が出るように感じる方もいます。花粉症の咳で痰がからむ場合は、鼻炎の治療を優先することで改善が期待できます。

花粉症の咳が酷いとき・止まらないときの対処法

花粉症の咳は、抗アレルギー薬や点鼻薬を用いた鼻炎の治療でおさまっていくのが通常です。花粉症も咳もQOL(生活の質)を大きく損ないますが、重篤な持病がない限りまず薬局で花粉症の薬や咳止めを買って服用してみるのも一つの方法です。それでも症状が良くならなければ、クリニックの受診をお勧めします。

花粉症の咳を止める方法(日常生活での対策)

花粉症の咳を止めるには、薬による治療に加え、日常生活での対策も重要です。

  • 花粉の多い時間帯の換気を避け、空気清浄機を活用する
  • 外出時にはマスクやメガネを着用する
  • 帰宅後は衣服や髪に付着した花粉を落とし、手洗い・うがいを徹底する
  • 加湿器を使い、室内の乾燥を防ぐ
  • 就寝時に上体をやや起こして寝ると、後鼻漏による咳が軽減されることがある

これらの対策で花粉を体内に取り込む量を減らすことが、咳を止める近道です。

花粉症はスギだけではありません

ヨーロッパのイネ科花粉症、アメリカのブタクサ花粉症とともに世界3大花粉症とされる日本のスギ花粉症の季節はまもなく過ぎ去りますが、年中鼻炎や咳が続く場合は、日本にも存在するイネ科やブタクサの花粉症、ハウスダスト、ダニ、カビ、ペットアレルギー等の可能性があります。花粉症で咳が出るのはスギに限った話ではないため、通年で症状がある方は一度アレルギー検査を受けることをおすすめします。

花粉症の咳が長引く場合は呼吸器内科へ

花粉症の咳だけでなく、咳が長引く場合は咳喘息や喘息、COPD、肺がん、肺結核、気管支炎、肺炎、逆流性食道炎など他の疾患の可能性も考えられます。花粉症の咳が止まらない・ひどい状態が数週間以上続く場合は、呼吸器内科への受診をおすすめします。